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トークショー

 

8月1日(月)に、クリエイションギャラリーG8・クリエイティブサロンにて

 

第24回亀倉雄策賞受賞記念 大貫卓也展「ヒロシマ」のトークショーが開催されました。

 

 

ゲストに佐藤可士和さん、中島祥文さん、服部一成さんをお迎えしてのトークイベントです。

 

 

 

会場に足を運んでくださった方々、オンラインにてご参加くださった方々に

 

深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

 

 

 

『クリエイティブサロン 佐藤可士和・中島祥文・服部一成・大貫卓也』

 

 

*写真左より、中島祥文氏、大貫卓也、服部一成氏、佐藤可士和氏

 

 
 
1時間半の予定が2時間くらいになっていたでしょうか?
 
濃密な時間に感じました。
 
「ヒロシマ」の作品に関するお話から、デザインとは、或いは主体性について等々、
 
奥の深い皆さんのトークはとても興味深く、勉強にもなりました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ポスターのスノードームの中に存在する鳩の美しさはそのフォルムが生み出す力だと
 
感じていたのですが、そこに至る過程を僅かながらそばで見ていた私にとっては服部さんの
 
言葉「悔しいけれど、両手を合わせたくなる鳩だ」と仰った瞬間は胸が熱くなりました。
 
 
他の仕事と連動しての展覧会準備期間は全く時間が足りず、日々ほとんど寝ないで取り組む
 
ことの連続でしたが、まるで手を抜かない大貫卓也の姿は大きな心配と大きな尊敬という
 
アンバランスな感情を私に呼び起こしました。
 
スノードームというのは非常に難しい代物で、中に入れる物が水によって歪むためにそのままの
 
形で中に入れるわけにいかないようです。つまり外から眺めたスノードームの中の物が綺麗な形
 
に見えるためには、歪みを想定した上での完成形を目指して製作しなくてはいけない。
 
毎日毎日、細かい数字と睨めっこしながら計算を繰り返し、トライアンドエラーを繰り返し、
 
微調整は気が遠くなるような緻密な作業を極めていました。
 
この人はデザイナーなのか?数学者なのか?職人なのか?何かの技師なのか?と思う程・・・。
 
 
大貫が納得して完成したものがポスターの”スノードームの中の鳩”です。
 
 
 
 
ある意味、狂っています。そんな事を成し遂げることがこの人の凄さです。
 
それはきっと昔かららしく、可士和さんがそんなニュアンスのお話をされていました。
 
 
 
ヒロシマアピールズ2021も、そもそもスノードームを自分で作るところからスタートですから。
 
 
それは、自分のデザインしたポスターを作るためでもありますが、今回はその根底にある
 
大切なメッセージのためであったことを痛感するばかりです。
 
 
 
 
デザインはコミュニケーションだと改めて勉強になりました。
 
伝えるメッセージが見る人の手にしっかりと届くように着地点を目指して構築されている。
 
アーティストが描くメッセージよりももっと具体的で現実的で、その上で説明しない抽象的な
 
視覚による一言。
 
 
 
大貫も中島さんも服部さんも可士和さんも、何もしないよりはした方がいいという
 
お考えのようでした。
 
出来ることをやる。小さなことでも、点が集まれば大きな力になることもある。
 
そんなトークもとても印象的でした。本当に素敵な方々です。
 
 
 
今回の展覧会で上映されている動画はこの展覧会のためだけに大貫が製作したものですが、
 
この映像に中島さんも服部さんも可士和さんも深く深く感動されているご様子も強く心に
 
響きました。人の思いは人の心に届く。人の強い思いは人の心を動かす。そんなことも
 
改めて感じ、勉強になりました。
 
 
この映像を展覧会会場でしか見られないことが本当に残念です。
 
チャンスがあれば、是非、会場にてご覧になってみてください。
 
 
展覧会もいよいよ今週の土曜日が最終日です。
 
8月20日(土)までですので、あと6日ですね。
 
 

 

より多くの方々にご覧になって頂けますように・・・クローバー

 

 

 

 

第24回亀倉雄策賞受賞記念

大貫卓也展「ヒロシマ」

  • 会期:2022.7.12 火 - 8.20 土
  • 時間:11:00a.m.-7:00p.m.
  • 日曜・祝日・8月10日(水)〜8月14日(日)は休館 入場無料