背番号3 | 詩はどこにあるか

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2025年6月3日の読売新聞夕刊(西部版・4版)を見て驚いた。見出しは、


長嶋茂雄さん死去
ミスタープロ野球
89歳 巨人V9 背番号3

長島が死んだことに対して驚いたのではない。見出しに驚いた。

「ミスタープロ野球」は長島の愛称。野球選手として多くの人に親しまれてきたことをつたえる。
89歳は年齢。つぎの「巨人V9」は長島がいたときの巨人の「記録」だ。
しかし、つぎの「背番号3」はどうだろう。これは「記録」ではない。それが証拠に「背番号3」の選手はたくさんいるだろう。

それなのに、あたかも「背番号3」と長島は切り離せないものとして、読売新聞は見出しにとっている。
へえええっ。
私は、思わず声を出してしまった。
これから先、野球選手が死んだとして、そのときの見出しに「背番号X」が採用されるだろうか。
長島といっしょに一時代を築いた王貞治は、ホームランの本数が見出しになるだろうけれど「背番号1」は見出しにならないだろう。
よくスポーツ選手について「記録」と「記憶」が話題になるが、長島は「記録」よりも「記憶」として重要視された選手ということだろう。

ことばにいてい、あれこれ考える私は、ちょっと驚いたのである。