ばらばらの情報を統合すると、こうなる。 | 詩はどこにあるか

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ばらばらの情報を統合すると、こうなる。
       自民党憲法改正草案を読む/番外347(情報の読み方)

 2020年05月05日の読売新聞(西部版・14版)の1面の見出し。

緊急事態宣言を延長/31日まで 一部で制限緩和/14日めどに分析、解除も

 解説記事には

解除の目安 具体化を

 この記事構成からみると、読売新聞は「解除には一定の目安が必要」と考えていることがわかる。では、その目安は? 読売新聞は、独自の見解を出していない。
 安倍は、どんな「目安」をもっているのか。
 一面の記事中に、こうある。記者会見で語っている。

1日あたりの新規感染者数は全国で100人を下回る水準を目指す

 この「1日あたり100人」は、どの面にも見出しになっていない。ひっそりと書かれている。
 さて。
 この「1日あたり100人」は、しかし、頼りになる基準なのか。
 私はまず、どういう検査をして「100人」なのかが気になる。「100人検査をして100人陽性」だと感染率は100%。それでも解除できるのか。解除には、「人数」だけてはなく、「感染率」も重要なはずである。
 これに気づいているからこそ、読売新聞は25面(社会面)に、

PCR検査 保険所多忙で遅れ

 という見出しと共に「人口10万人当たりのウイルス検査数」を掲載している。それによると日本は187・8件、イタリア3159件、アメリカ1752・3件、韓国1198件に比べると、「明らかに少ない」。検査数が少ないということは、結果的に「陽性」者が少ないということになる。「陽性者数」だけではなく「感染率」も重要なポイントになるはずだ。
 この「感染率」は、当然、各都道府県でも比較しないといけない。「特定警戒都道府県」が指定されているのだから。そして、規制の緩和は都道府県単位でおこなわれるのだから。
 どう判断するのか。
 3面に「都道府県別の人口10万人あたりの累積感染者数が掲載されており、こういう記述がある。「特定警戒都道府県(13都道府県)」指定に関係してくる記述だ。

富山は、人口10万人あたりの累積感染者数で、「特定警戒」の石川に迫る勢いだが、感染源が不明な患者が少ないことなどを配慮して追加指定が見送られた。

 つまり「感染経路の特定」も解除の重要な要素なのだ。単に全国の新規感染者数や感染率だけでは解除できないのだ。

 まとめなおすと。
 コロナウィルスの感染状況を把握するためには
①感染者数
②感染率
③感染経路の特定
 この三つが必要なのだ。

 ところが、そういうことを読売新聞は理解しながら、それを「ひとつの記事」としてまとめていない。1面、25面、3面と、どんばらばらに書いてある。これは、不親切だ。
 この問題は、同時に、記者会見(私は冒頭しか見ていないのだが)で、追及しなければならないことでもある。
 安倍は「新規感染者1日100人」を目安にするといったが、「感染率」ではどうなるのか、「感染経路の特定」の問題はどういう目標をもっているのか。それを問わないといけない。安倍が用意された原稿を読むのと同じように、記者も用意してきた質問を読んでいるだけだ。安倍の「答え」を聞いたあと、自分が用意してきた質問は捨てて、安倍のことばから出てくる疑問(他の記者が明るみに出した問題)を引き継いで追及しないと、「真実」が見えてこない。
 「事実」は細部にあるが、その細部は統合しないことには「全体」にはならない。安倍が、こういう「目安の全体像」を明確に示さないのは、「一部」だけを基準にして「全体」をごまかすという意識があるからだ。
 マスクを2枚配っておけばいい、10万円を全国民に配ればいい。あとは、2枚のマスク、10万円で国民が解決すればいいと、ひとごととして見ている証拠がここにある。









#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


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