嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(31) | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

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* (一つの夜が終わる)

芝生の上に窓から灯りがながれている
時のながれに逆らうようにひとりの男がアプサンを飲んでいる

 「ながれ(る)」が二回繰り返されている。そして、それは「夜が終わる」の「終わる」のなかにも隠されていたことばだ。
 男の中をアプサンが「流れる」と引き継ぐこともできる。
 だが、男は、それに逆らいたいのだ。あらゆる「ながれ」を逆にひきもどしたいのだ。

女は昨日通った橋の上をむこうの町へ帰っていった








*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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