死者の数は、世界でいちばん多くなるだろう。 | 詩はどこにあるか

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素人の見方
       自民党憲法改正草案を読む/番外333(情報の読み方)

 
 2020年04月02日の読売新聞(西部版・14版)の2面トップ。新型コロナニュース。

感染100万人/1週間で倍/全世界 死者5万人超す

 という見出しといっしょに全世界の状況が一覧表になっている。すでにフェイスブックでも書いたのだが、非常に気になることがある。
 中国・武漢で爆発的に拡大し、それが世界に広がったという状況だが、あとになって集団発生した国ほど感染者、死者が多い。
 韓国は武漢につづいて注目を浴びたが、いまは落ち着いている。感染者は1万人を超えているが死者は174人。
 一方、イタリア、スペイン(その他のヨーロッパ)、アメリカと見ていくと、話題になった順序としてはイタリア、スペイン、アメリカなのだが、大問題になったイタリアの状況は、4日付の新聞では感染者11万5242人、死者1万3951人、スペインは11万7710人、死者1万935人と、感染者はイタリアを超えてしまった。死者も追い越すかもしれない。アメリカは感染者24万5646人、死者6068人。感染者はイタリア、スペインをはるかに超えている。死者もこれから増えていくだろう。
 中国の数字(感染者8万1623人、死者3322人)がどれだけ正確であるかわからないが、感染者数ではドイツでさえ上回っているし、死者でもフランス、イギリスがすでに中国を上回っている。
 これには二つの「理由」(原因)が考えられる。素人の考えだが。

①あとになるほど検査が厳しくなり感染者、死者の把握が進んだ
②検査が遅れるほど、市中感染が広まり、感染者の増大につながった。検査をはじめたときは検査が追いつかない状態だった

 ①の場合なら、それは問題であるよりも、一つの「効果」と考えることができるが、②だと大問題だ。
 特に日本の場合を考えると、②の危険が非常に大きい。
 私たちはクルーズ船の大失敗を見ている。不十分な管理態勢の上に、検査も充分にしなかった。そのため検査を受けずに下船した人までいる。
 そしていま、日本で感染者、死者が加速度的に増えている。「②検査が遅れるほど、市中感染が広まり、感染者の増大につながった。検査をはじめたときは検査が追いつかない状態」になっている。感染経路がわからない人だらけなのだ。検査開始が遅れれば遅れるほど、問題は深刻化していると、素人の私は見る。
 ベルギー、オランダ、ポルトガル、スウェーデン、カナダ、ブラジルでも感染者、死者の数が日本よりも多い。アメリカでは西部の方が早く検査をはじめた。遅れた東部のニューヨークは問題が深刻化した。日本でも初動がうまくいった和歌山、北海道では問題が沈静化しつつある。ところが、初動が遅れた東京は深刻化している。どれも、検査の遅れと関連している。
 日本ではまだ「日本」と「クルーズ船」をわけているが、そういう「小手先」の数字を少なくみせる方法では、絶対に「ごまかし」のきかない状況になっている。
 日本は、欧米の諸国に比べると、「初期」と言える段階から新型コロナに向き合っている。しかし、そこで韓国のような徹底した検査体制をとらずに、ずるずると引き延ばしているのだが、その引き延ばしを感染者が追い越し始めている。検査されていない感染者が市中に信じられないほどいるに違いないのだ。そしてその「市中感染者」は検査開始が遅れるほど増えていくのだ。
 そういうことが、一覧表からわかる。

そうした状況の中、

「検査数少なく正確な評価困難」 在日米大使館が「予測困難」と米市民に帰国促す

というニュースが流れている。毎日新聞のウェブサイトである
https://mainichi.jp/articles/20200404/k00/00m/030/005000c

 アメリカも日本の検査体制に疑問をもち、アメリカ人の命をまもるのには帰国させるしかないと判断したということだろう。
 日本はこれから感染者、死者が急増する。それはイタリア、スペイン、アメリカを超えてしまうだろう。どれだけ増えるか、予測困難なのだ。アメリカはアメリカ国内の死者を最大24万人と予測していたようだが、日本はそれを上回る恐れがあると予告しているに等しい。

 なぜ、こんなことが起きたか。
 クルーズ船の初動対応がまずかったからだ。最初から「数字をおさえる」ということだけを目的にしていたからだ。そのため、世界に誤解を与えた。新型コロナはテキトウな対応でもそれほど深刻にならない。中国・武漢で大量に患者が出たのは、中国がまだまだ「文明国」ではないからだ。韓国も同じだ、という誤解を与えた。そして、その「誤解」はほとんど安倍の「偏見(人種差別)」と重なる。
 新型コロナが終息し、「検証」がはじまれば、絶対に安倍の対応が問題視されるはずである。何度も書いてきたが、日本は厳しく批判されるだろう。「事実」をごまかし、世界に新型コロナの危険性をつたえなかったのは、日本なのだ。(中国は数字に問題があるかもしれないが、少なくとも「危険性」と「都市封鎖」などの方法を正確につたえた。感染拡大を防ぐには「都市封鎖」しかないことを明確に実証した。)

 で、問題のクルーズ船だが。
 読売新聞(2面)に、小さな記事(1段見出し)があった。

クルーズ船対応/米代理大使謝意/「最高のケア受けた」
 
 なんともはや。ちょっと絶望的になる。クルーズ船の乗客が全員下船し、帰国したときならまだわかるが、なぜ、いま、こんな記事が載るのか。
 私のようにクルーズ船の初動に問題があった、それがいまの世界の混乱を招いていると指摘する声が、きっと出始めているのだ。それを「封じる」ために、こんな記事が書かれている。安倍の対応はアメリカから感謝されている。
 でも、感謝なんか、全然していない。それは先に引用した毎日新聞の記事を見ればはっきりわかる。アメリカは日本を信頼していない。世界各国がアメリカにならうだろう。中国(武漢)から、世界が引き上げたように、日本から世界が引き上げていく。
 安倍を信じたら、みんな死んでしまうのだ。死者の数は、世界でいちばん多くなるだろう。


















#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


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