鐵の歌
誰も知らず だがすべてが知つてゐる
時計と鏡との間で動かなくなつてしまつた祖国ニホン
この作品はいつ書かれたものか。「時計と鏡」が何の比喩なのか。状況によってわかるだろう。
いまのニホンを描いているわけではないが、「誰も知らず だがすべてが知つてゐる」は、現代を言い当てている。
「知っている」のに「知らない」ふりをする。「知らない」を理由に「何もしない」がはじまる。つまり「動かない」。そして、あとで「私は知っていた」と言う。さらに「私に何ができたか」とも。
私は「知っている」とはいわない。「わからない」という。そして、わからないことをわからないと書く。わからないことへの怒りを書く。
いまは。
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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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