嵯峨信之『小詩無辺』(1994)を読む(39) | 詩はどこにあるか

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嘘の傘

どこまで行つても一つの言葉にたどりつけない
言葉は人間からはなれたがる

 「一つの言葉」とは何をさすか。
 二行目の「言葉」は「一つの言葉」をさしているか、それとも「すべての言葉」をさしているのか。
 「一つの言葉」にたどりつけないために、「すべての言葉」が人間から離れたがる。「すべての言葉」は「一つの言葉」につながりたいと思っているということだろう。
 そして、それは嵯峨の願いなのだろう。

 「嘘」の反対にある「真実」。
 でも、そうなってしまったとき、その世界が「楽しい」かどうか、私は疑問に思う。






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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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