嵯峨信之『小詩無辺』(1994)を読む(23) | 詩はどこにあるか

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* (愛するように)

太陽はすべての影をま上から奪つてしまう
水差しに水はない

 詩、あるいは比喩と言い直した方がいいか。比喩はことばを入れ替えると「世界」がより正確に見えてくる。

太陽のように
愛はすべての影をま上から奪つてしまう

 愛が太陽なのか、太陽が愛(愛すること/愛されること)なのか。愛したために、「愛(こころ)」をすべてきみに注いだために、こころの「水」がなくなったのか。愛されたために、こころが沸騰し、「水」が蒸発してしまったのか。
 その日、そのとき、そのことば(詩)を必要としている人間にあわせて、「意味」は変わっていく。








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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
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