遠くまで渚はつづき
たえず大きな浪が小さな浪をとらえて沖へつれ去つている
「つれ去つていく」ではなく「つれ去つている」。英語で言えば「現在進行形」だろうか。「いま」が「いま」のまま拡大していく。
「いま」を共有している。
だが、そのとき嵯峨は「大きな浪」として「いま」を共有しているのか、「小さな浪」として共有しているのか。
私は後者と読む。そして、そこに抵抗を感じる。「去る」のではなく、「いま」ここに、たえず「ここ」にいる「いま」ということろから世界を見つめている。
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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
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