嵯峨信之『OB抒情歌』(1988)(40) | 詩はどこにあるか

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* (いつになつたらぼくの口の中が銀色の夜明けになるのだろう)

 これは、どういう感覚なのか、私にはわからない。後半に女との交渉が「今日もまだぼくの舌は海鼠のように腫れあがつている」ということばとともに書かれているから、セックスの疲れが口の中にも広がっているということか。「銀色の夜明け」は疲れがとりはらわれる感じだろうか。
 しかし、冒頭の一行は、

二日つづきの休日が晴れた日と雨の日で、
ぼくは黒白の市松模様に染まつてしまつた

 とつづいている。
 これが、わからなさに、さらに拍車をかける。




*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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