歩みよることができなかつた
運命がたちどまつてまた歩きだす僅かなあいだに
詩は、このあと「僅かなあいだ」を別なことばでいいなおすのだが、言い直す前の、この二行を私は「倒置法」の文章として読む。そうしたい気持ちになる。「慕わしいために」という言い方が私にはなじめず、そのなじめなさが倒置法を私の「肉体」に求めてくる。
倒置法は不自然な文体である。言いたい何かが、正常な文体(?)を突き破って動く。そういう生々しい動きが「慕わしいために」という不思議な言い方をすでに要求しているのだ。
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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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