嵯峨信之『土地の名-人間の名』(1986)(93) | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

詩の感想・批評や映画の感想、美術の感想、政治問題などを思いつくままに書いています。

* (未知のあいだに愛がかくれている)

 「未知のあいだ」は矛盾に満ちたことばである。「未知」は知られていない。「あいだ」はどうやって認識するのか。
 「未知」そのものの「あいだ」なのか、「未知」と「既知」の「あいだ」なのか。後者だろう。

だれの口からも漏れない愛の言葉がある
石が知つている

 「だれの口からも漏れない」なら、それは「他人」には「未知」のことばである。でも自分は知っている。その知っていることを「石」にあずける。そのことを知っているのは、嵯峨だけだ。







*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)