嵯峨信之『土地の名-人間の名』(1986)(89) | 詩はどこにあるか

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* (激流にさからつて)

 詩の前半は、激流のなかの大岩を書いている。

ぼくがはじめて手形の跡をつけたのはその死の大岩である

 という一行のあと、詩は転換する。

微塵に砕け散つたぼくの魂しいが
暗夜
星のように水面に煌めいている

 その転換の真ん中に、「死」がある。「死」を中心にして、激流、岩、死、砕け散る、煌めくという動きがある。再生だ。








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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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