池澤夏樹のカヴァフィス(34) | 詩はどこにあるか

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34 ヘロデス・アッティクス

 ソフィストのアレクサンドロスがアテネに着いてみると、誰もいない。みんなヘロデスについて田舎へ行ったという。


そこでソフィストたるアレクサンドロスは
ヘロデスに一通の手紙を認めて、どうか、
ギリシャ人を送り返していただきたいと頼んだ。
分別に富むヘロデスはこう返書したものだ、
「ギリシャ人と共にわたしも戻りましょう。」--


 笑い話みたいだなあ。
 で、こういうとき「分別」というのかな? 私はなんとなく「一休さん」の「とんち」を思った。
 池澤は、ソフィストについて、こう書いている。


教授する内容は道徳から記憶術に至るまでさまざまあったが、すべて一種の哲学に違いない。と言うよりは、当時哲学は何等かの形で実生活において機能するものであった。あるいは、知を愛する精神的姿勢が人間の生活を律する、と言おうか。


 そうなんだろうけれど、大げさな感じがするなあ。
 カヴァフィスは、もう少し、突き放してみてはいないか。
 根拠があって書いているわけではないが。




 


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