28 石蹴り遊び(嵯峨信之を読む) | 詩はどこにあるか

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28 石蹴り遊び

母も父もいない子供たちが
滑車を蹴つて国取り遊びをする

ここが母の国
隣りが父の国

 「隣り」ということば。名詞。動詞では、どういうのだろうか。「隣る、となる」か。接触して存在すると言いなおした方がなじみやすい。接触していないかぎり、「隣り」ということばは出てこないだろう。
 「ここが父の国」と言っても意味は通じるはずだ。一緒に遊んでいる子供には、「隣り」ということばをつかわなくても「境界線」を挟んで接触していることがわかるからだ。でも「隣り」と言いたい。
 ここに、詩がある。
 母の国と父の国の接触は、そのまま子供と両親の接触につながる。「隣り」を形作る「境界線」として存在したいという子供の気持ちが、ここにある。

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