千人のオフィーリア(メモ32) | 詩はどこにあるか

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千人のオフィーリア(メモ32)

春を告げるミモザは
黄緑色の強烈な謎。
遠い国からやってきて、
突然私の目を讃える。

鳥が騒ぎだすように
恋の予感が騒いでいる。
新しい太陽の光が
感覚のなかで光る。

私は不安でいっぱいだ。

空へ果てしなく落ちていく青と、
庭の椅子の白の間を
音楽が駆け抜け
世界はかわる。


The magic box―谷内修三詩集 (1982年)
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象形文字編集室