千人のオフィーリア(メモ29) | 詩はどこにあるか

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千人のオフィーリア(メモ29)

水は見ていた、水をみつめるオフィーリアを。
水は晴れ上がった空を映す水の色。

梢から雨の名残が落ちてくる。水面に小さな輪を描いては消えていく。
水は聞いていた、その音楽に耳をすませるオフィーリア。

高いところで知らない小鳥が鳴いた。
さえずりは鋭くちらばる光になった。

水は見ていた。
オフィーリアが水を踏むのを。




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詩集「改行」(2016年09月25日発行)、残部僅少。
1000円(送料込み/料金後払い)。
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