冬の帰り路 | 詩はどこにあるか

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冬の帰り路

街灯の白い光へ冷たい空気が降ってきて、ガラスのように散らばる。路地。靴音が歩道から跳ね上がり、ウインドーにぶつかるのを耳の奥に聞いたのは、その路地に入る前のことだったが。

街灯の下を通りすぎると、影が方向を変える。男は影が長くなる方へと足を運ぶのだが、頭の中で「この影はさっきまで自分の後ろにあった」とことばにしてみると、私を追い越したいものが背後にいるのだとわかった。