千人のオフィーリア(メモ14) | 詩はどこにあるか

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千人のオフィーリア(メモ14)

私の前にだれがこのことばを読んだのだろう。
存在しないオフィーリアよ、
私はカップに近づけていた唇をとじる。

--ことばにすると、どんな姿態も淫らではなくなる。
  だから唾でよごれる声は飲み込みなさい。

意識の喉がしろくふくらむ。
夜の鏡のなかで。カーテンを開けた夜のガラス窓のなかで。

そのころ、存在しない百三十七人目のオフィーリアは、
ウィンドーの内部のマネキンの長くのけぞる、のど。











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