ゆるい坂と急な坂を | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

詩の感想・批評や映画の感想、美術の感想、政治問題などを思いつくままに書いています。

ゆるい坂と急な坂を

ゆるい坂と急な坂をくりかえしのぼった。
そこに何を残して来ただろう。
突き当たりのアパート。
そこに何を残して来ただろう。

昔あった二階建てのアパートは
階段ごと消えていた。
なくなったものの向こう側は
見たことのない空。

空の下には川がうねって
夕暮れの光を流している。
昔と同じだろうか。

遠くには海。
波の形は見えないが、海だろう。
船は時間が止まったように動かないが、海だろう。







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