破棄された詩のための注釈(18)  | 詩はどこにあるか

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破棄された詩のための注釈(18) 

 括弧のなかに空白があり、「花の名前」というルビがふってある。買ってきた古本のなかからことばが見つかれば、空白を消してその花の名前を書く。「白いブラウス」「感情の引き出し」「二枚貝の内側の音楽」は、空きビンの蓋がひっくりかえり、あしたの雨をためている、その蓋のよう。汚れた公園の路を通ると、家へ帰りつくまでに七分かかる。犬とときどき曲がり角の草むらに鼻をつっこみ、ほかの犬の名前をさがしている。





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