スペイン語教室 | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

詩の感想・批評や映画の感想、美術の感想、政治問題などを思いつくままに書いています。

スペイン語教室

カフェのテーブルサイドの小さなランプが
女の指に小さな影をつくって、散らかした。
森のなかの蝶のように
隠れたりあらわれたりするのを見ていた。

「誰にも知られたくないこと」という作文のテーマが出たとき、
そんな文章をつくったら、ラウラ先生は不思議な顔をした。
テーブルの下で裸の膝が閉じたり開いたりするのでどきどきした、
と書きたかったが「膝」ということばがわからなかったので。

「あら、そっちの方が秘密っぽいわね」
傷ひとつない冬の午後が消えてしまった。


*

谷川俊太郎の『こころ』を読む
クリエーター情報なし
思潮社

「谷川俊太郎の『こころ』を読む」はアマゾンでは入手しにくい状態が続いています。
購読ご希望の方は、谷内修三(panchan@mars.dti.ne.jp)へお申し込みください。1800円(税抜、送料無料)で販売します。
ご要望があれば、署名(宛名含む)もします。