もう一度思い出してみる
雨に濡れた舗道の、1ミリで揺れている明かりを踏み、引き返すように
あそこで終わらなければならなかった、
立ち上がるとき椅子が倒れた、両手をつかって椅子を起こした。
でも、その前に笑い声といっしょに始まってしまっていた。
幾つ目の角を曲がるか知らないと言ったら、
橋を渡らずに、どうして角を曲がると知っているのか、と問いかける声があって、
その後ろにコートと黒いマフラーがぶら下がっていた。
冷たい夜を歩くと、
ビルの上の星のように喉仏のあたりが研ぎすまされる。
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