もう一度 | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

詩の感想・批評や映画の感想、美術の感想、政治問題などを思いつくままに書いています。

もう一度

もう一度思い出してみる
雨に濡れた舗道の、1ミリで揺れている明かりを踏み、引き返すように

あそこで終わらなければならなかった、
立ち上がるとき椅子が倒れた、両手をつかって椅子を起こした。

でも、その前に笑い声といっしょに始まってしまっていた。
幾つ目の角を曲がるか知らないと言ったら、

橋を渡らずに、どうして角を曲がると知っているのか、と問いかける声があって、
その後ろにコートと黒いマフラーがぶら下がっていた。

冷たい夜を歩くと、
ビルの上の星のように喉仏のあたりが研ぎすまされる。











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