牛乳を飲む | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

詩の感想・批評や映画の感想、美術の感想、政治問題などを思いつくままに書いています。

牛乳を飲む

冷蔵庫のなかで眠っていた紙パックの牛乳がコップの内部に触れ
反転し、暗くなる。
牛乳の夢がたたき起こされて不機嫌になったのか、
コップの底に沈んでいた夜が撹拌されたのか。

どこに当てはめればいいのだろう、
ジグソーパズルのあまった一片のようなことば。
散らばったノートと本を積み重ね、テーブルに空き地をつくる。
牛乳のこぼれたあとが輪になったトレーをおく

それから再びノートを引き寄せ、
形のないことばを解読するために、本の任意のページと照らし合わせる
そのまえに。
あるいは牛乳を飲み、牛乳が感情のようになじむのを待つ。



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