冬の朝、赤いアルファロメオが眠る車庫に
ときどき灰色のメルセデスが寄り添っている
書きかけの詩は二行で中断し動かない
玄関ポーチに無造作に転がされた壺は空っぽ
つづきを書こうと思い犬と一緒に六本松の角を曲がると
どこへ行ったのか車の影はなく壺の形に水が広がる
次の日は空虚が道路との境目の草を倒し
女がのぞいていた三階の窓は閉じたまま空の光を映している
*
![]() | 谷川俊太郎の『こころ』を読む |
| クリエーター情報なし | |
| 思潮社 |
「谷川俊太郎の『こころ』を読む」はアマゾンでは入手しにくい状態が続いています。
購読ご希望の方は、谷内修三(panchan@mars.dti.ne.jp)へお申し込みください。1800円(税抜、送料無料)で販売します。
ご要望があれば、署名(宛名含む)もします。
![]() | リッツォス詩選集――附:谷内修三「中井久夫の訳詩を読む」 |
| ヤニス・リッツォス | |
| 作品社 |
「リッツオス詩選集」も4400円(税抜、送料無料)で販売します。
2冊セットの場合は6000円(税抜、送料無料)になります。

