アパートの二階の窓の高さにカーブした道が走っている。
真夜中、思い出したようにヘッドライトの明かりがカーテンをかすめていく。
そのとき、暗い部屋のなかでは男の顔の輪郭がほのかに浮かんだ。
あごの角張ったかたちと頬の突起が光った。
それは光のあとを追いかけて去っていく車の音に似ている。
自画像をそんなふうに比喩にしたあと、
男は本のなかの二階建てのアパートのつめた部屋へ帰っていく。冬。
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