何度も思い返すのだが、 | 詩はどこにあるか

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何度も思い返すのだが、

何度も思い返すのだが、思い返すたびに同じ場所を通ってしまう。
靴屋の明るいウインドーを左手に見ながら角を曲がる。
「蔦が二階まで這い上り、
もう上には何もないとわかってしかたなく横に広がったみたい」
蔦の真ん中で四角い窓が夕陽をななめに反射させている。
その光のためになかは見えないように
そのひとは横顔で片方の目を反対側に隠していた。
こころは見えなかったと思いたいけれど、
しかたなくということばが冷たく反射していると気づいた。
何度も思い返すのだが、