雨の降った日、雨の降った日、雨の降った日、天神から六本松へ向かうバスを降りて歩きはじめる。もしかしたらこの道だったかもしれない。ただそう思いたいだけのために雨に濡れるのだ。舗道に置かれた金属の丸いテーブルや金網でできた椅子のように。それから記憶を新しくするために古いレコードを売っている店に入る。知っているレコードが昔のままのジャケットに入って売れ残っているのを確かめる。気が楽になるのだった。理由もなく。