六本松一号公園六本松一号公園六本松一号公園には背もたれと座面が木でできたベンチが二つ。雨に洗われ、日に灼かれ、風に晒されて頑固な木目が浮かび上がっている。この公園にも時間が通って行ったのだとわかる。ことばは、冬の日に背中を温めながら、そこで本を開く。ときどき奥のやぶの方をみつめる。それから、本のなかのことばと共通の過去について話し合う。どうやって抜け出してきたか、そしてここからどうやって抜け出すか。奥の砂場で犬が寝転んで砂浴びをする。こどもが笑う。