展望台で | 詩はどこにあるか

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展望台で

展望台でバスを待つあいだ、窓が見える。
目を閉じると、窓から見た展望台が見える。

あのときは銀杏の梢を気にしなかったが
展望台からだと、銀杏がなければと思ってしまう。

どの日々もわざと同じことを繰り返したように同じだった。
まるで一日くらいは正確に思い出せるようにと願っているように。

知っていたのだろうか、頭なかに描いた地図の道を通って、
その人のいる位置を避けてバスは走っていく。