水の上を雲が
水の上を雲が過ぎ去っていくのを見ていると、
ケヤキ通りで見かけた人のことを思い出した。
その人は物思いに沈んでいて私に気がつかなかった。
一度は近づき、それから離れてしまった人。
つづきを読もうとして間違った本を開いてしまって、
傍線を引いたことばに出会ったみたい。
幻の波。幻の風。
水の上には雲が去った後の十一月の空の青。
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