何一つ書くことがなかったので、
何一つ書くことがなかったので、
新しいノートに「日記」を書いた。
きょうの、ではなく、あしたの。
橋の上から見ていると、
空気を求めて川面に跳ね上がる魚がいた。
影は一瞬濡れて、流れないまま沈んで行った。
あした橋の上に立って、欄干にもたれて
向こう橋を貨車が渡るのを見た
と、書き直すために。
書き直し、書き直し、さらに書き直さないと、
ことばはふわふわと浮いてしまい、
何一つ書くことがなくなるので。
*
新詩集『雨の降る映画を』(10月10日発行、象形文字編集室、送料込1000円)の購読をご希望の方はメール(panchan@mars.dti.ne.jp)でお知らせください。
発売は限定20部。部数に達し次第締め切り。
なお「谷川俊太郎の『こころ』を読む」(思潮社、1800円)とセットの場合は2000円
「リッツッス詩選集」(作品社、4400円、中井久夫との共著)とセットの場合は4500円
「谷川俊太郎の『こころ』を読む」「リッツッス詩選集」「雨の降る映画を」三冊セットの場合は6000円
です。