走り去った雨が
走り去った雨が夜また警固の四つ角にもどってきた。
ビルの窓のなかへ引き返した明かりも再び雨のなかへ広がってくる。
北へ向かう大正通りのアスファルトに両側の光が集まってくるのは
雨粒が風に舞って乱れるからなのか、
ビルの間を落ちてくる空の暗さに押さえつけられてなのか、
長い長い逆さまの、輪郭のうるんだ町が生まれる。
バス停の立ち話は肩がぬれた透明な影になり、
「あしたは澄んだ晴れの真昼と、美しい夕焼けになるだろう
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新詩集『雨の降る映画を』(10月10日発行、象形文字編集室、送料込1000円)の購読をご希望の方はメール(panchan@mars.dti.ne.jp)でお知らせください。
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なお「谷川俊太郎の『こころ』を読む」(思潮社、1800円)とセットの場合は2000円
「リッツッス詩選集」(作品社、4400円、中井久夫との共著)とセットの場合は4500円
「谷川俊太郎の『こころ』を読む」「リッツッス詩選集」「雨の降る映画を」三冊セットの場合は6000円
です。