女が、
女が頸と頭の付け根に手をおいてうつむき、
それからその手の指を頭と頸ではさんでしまうかのように後ろへそらしたとき、
こっそりと私の中に忍び込んだもの。
見られていることを知らずに、
あれは、目の奥にある神経に頸の中にある細い道をたどらせ、
目からもっとも遠いところへ行こうとして、
酔ったように苦しんでいる
あれは、
読みかけの書類の文字が架空の肉体とからみあって、
細部になろうとしたり、できごとになろうとしてたわむれる
頸から離れた場所で左手がボールペンをまわしている。
感情をつくりだすように
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「リッツッス詩選集」(作品社、4400円、中井久夫との共著)とセットの場合は4500円
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です。