夜のダリア
夜、光がめざめる。
闇を内部に閉じ込めるように、
という比喩のようにして活けられているダリア。
ガラスの花瓶に一本だけ、
まわりの本やカレンダーを無視したような、
冷やかな茎の長さと静かな傾き。
白い壁との間に、絶対的な意味のようなものが感じられるが、
意味をことばにしようとすると美しさをなくしてしまう。
苦悩したいという欲望が、
無数の花びらとなって密集する頂点。
色、濃厚になる色の内奥をえぐる、
夜の水の、透明。
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「リッツッス詩選集」(作品社、4400円、中井久夫との共著)とセットの場合は4500円
「谷川俊太郎の『こころ』を読む」「リッツッス詩選集」「雨の降る映画を」三冊セットの場合は6000円
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