私の街の、ビルの三階にある部屋は | 詩はどこにあるか

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私の街の、ビルの三階にある部屋は

私の街の、ビルの三階にある部屋は散らかし放題。
ベッドの上に靴下が片方、もう片方はリビングの椅子にかけてあり
毛布は半分落ちている。髪の毛がからまっている。
シーツはきのう洗って干したので太陽の匂いがするけれど。

私の街の、ビルの三階にある部屋は散らかし放題。
ベッドの上は書斎兼キッチン、
読みかけの本の主人公がサンドイッチをつくったときの、
卵の殻が砕けて散らばっている。

私の街の、ビルの三階にある部屋は散らかし放題。
写真に撮るためにバラの造花を買ってきて放り投げる。
落ちたところが夕暮れの海。ワイン色に染まる。

私の街の、ビルの三階にある部屋は散らかし放題。
次のことばをメモするための鉛筆は、
窓から見える金星のように遠い。

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詩はfacebook 象形文字編集室で書いています。