西脇順三郎の一行(103 ) | 詩はどこにあるか

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西脇順三郎の一行(103 )

「ヒルガオ」

相当長い紫の蛇が                        (113 ページ)

 「相当長い」というのは非常にあいまいな表現だ。しかし、私はこの「相当」という音がおもしろい。漢字で書いてしまうと印象が違うが、声に出したときのんびり、ゆったりした感じになる。それが蛇に似合っている。
 この「そうとう」から「むらさき」という音の変化には何か耳障り(ぎょっとするような)響きがあり、それが「蛇」とも似合っていると思う。