「夏至」
ヨハネのマラルメのゲジゲジの
ここからは詩集『人類』の作品。
ヨハネとマラルメは西洋の古典的(学問的/精神的/芸術的?)な存在。ゲジゲジは虫。ゲジゲジが1行に紛れ込むこと、結合されることによって、ヨハネはマラルメに「知識」のエッジとは違う輪郭ができる。
たとえば、これが
ヨハネのマラルメの薔薇の
だったとすると1行はおもしろくない。薔薇がヨハネとマラルメを統合してしまう。薔薇ということばがもっている「文学(教養)」がひとつの「美」になる。けれどゲジゲジという異質なものが結合されると、それは美にはならない。なりようがない。つながっている何かが切断される。
その切断の、断面としてのエッジがある。