西脇順三郎の一行(95) | 詩はどこにあるか

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西脇順三郎の一行(95)

「テンゲンジ物語」

ピヒョークサイ!

 書き出しの一行。何のことかわからない。わからないのだけれど、音がおもしろくて印象に残る。タイトルの「テンゲンジ」は「天元寺」? そういう寺があるがどうか私は知らないが、西脇が日本の地名をカタカナで書くことは知っているので、○○寺(ジ)と、そんなふうに勝手に読むのである。「光源氏」みたいに「テン」源氏かもしれないけれど、寺の方が軽くていいなあ。(どこが「軽い」のか、書きながらわからないけれど。)
 で、「ピヒョークサイ!」。何かに驚いた感じがする。それから「臭い」という感じがするので、非常に臭いことを言ったのかな、とも思う。
 私は、こういうわからないものはわからないままにしておく。あれ、なんだのなあ、と読む度に思う。それが楽しい。