「壌歌」(Ⅱ)
人間の眼にはうつらない! (97ページ)
きのう、脇道を歩いてしまった。で、「84」とはちょっとことばがつづかないのだが……。まあ、気にすまい。詩なのだから、どこから読んだっていい。
「うつらない」は「見えない」と同じ意味だが、「うつらない」は「見えない」かと思うとき、少し「意識」に沈黙がある。こういう沈黙はなかなかおもしろいし、それを沈黙と感じるとき、
あ、西脇の「行わたり」のことばも沈黙をつくりだす運動なのだとわかる。
一瞬考える。
その思考の一瞬の空白に、肉体の沈黙がはいり込んでくる感じ。思考が意味という「道筋」をつけると、それにしたがって肉体が飛躍すると言えばいいのか、逆にことばの肉体がつまずいて、それを思考の意味が支え後ろから押すといえばいいのか。
よくわからないけれど、一瞬の「断絶」だね。