西脇順三郎の一行(25) | 詩はどこにあるか

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 「秋 Ⅱ」

タイフーンの吹いている朝

 台風ではなくタイフーン。「たいふう」と声に出すときよりも「ふ」の音が長い。のばされことで「ふ」の音が強調される。だから「吹いている」の「ふ」の音がはっきり聞こえる。「ふいている」だけだと、私は母音「う」をそれほど明確には発音しない。「ふいている」が「音楽」として響くのは「タイフーン」だからこそだと思う。
 「秋 Ⅱ」は、ほかのすべての行も「音楽」として美しいと思う。「西脇の一行」というタイトルで書きはじめて、あ、くやしい、と思う。もっと書きたいのに書けない。