ソネット 1 | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

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ソネット 1

ドアが開いた、ぬるい風が吹き込んだ。
ちいさなコップのなかで倦怠が輝いた。
四月、誰かがかすれた声でわらった。
君は目を閉じて何も聞かなかったふりをした。

ちいさなコップのなかで倦怠が輝いた。
なつかしい花の欲望のように。
君は目を閉じて何も聞かなかったふりをした。
すべては知っていたことだから。

なつかし花の欲望のように。
あるいは失なうものがある快楽のように。
首筋に触れて花弁は崩れる。

あるいは失なうものがある快楽のように。
離れていくのは、より強くひきよせるため。
首筋に触れて花弁は崩れた。