監督 ジェームズ・アイヴォリー 出演 ヘレナ・ボナム=カーター、デンホルム・エリオット、ジュリアン・サンズ、ダニエル・デイ・ルイス
イギリス映画は色彩が美しい。特に緑と黒が美しい。
この黒の美しさと、ヘレナ・ボナム=カーターの黒い目が調和して、気持ちがいい。ヘレナ・ボナム=カーターが弾くピアノも当然黒い。彼女の容貌にぴったりあっている。一方、恋人が黒い髪、黒い目のダニエル・デイ・ルイスと青い目、金髪のジュリアン・サンズと対照的なのも、この映画ではとても効果的だ。黒と黒も強靭な輝きだが(たとえばティム・バートンが好むヘレナ・ボナム=カーターとジョニー・ディップの組み合わせ)、ヘレナ・ボナム=カーターの黒は、瞬間的にぱっと輝く、その輝きが青い目、金髪の明るさに照らされるとき、さらに美しくなる。輝きが、透明に変わる。ヘレナ・ボナム=カーターが、ダニエル・デイ・ルイスではなく、最終的にジュリアン・サンズを選ぶのは必然だね。そうしないと、映像の美しさが半減してしまう。
この映画は、色彩計画がとても綿密に立てられているのだ。
小説では、色彩はどんなふうに描かれているのか。原作を読みたくなる映画である。
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