ブレイクを読む(3) | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

詩の感想・批評や映画の感想、美術の感想、政治問題などを思いつくままに書いています。

 「死の床。」正反対のものが出会う不思議さ。その瞬間の世界の活気。たとえば

このような夕べに、冷たい土がいのちを含んで息づき、

 死者を墓に葬る。そのとき冷たい土は息づく。その非情さに「詩」がある。

私は後(うし)ろを見る、後戻りの術(すべ)はない、死が私の後(あと)について来る、私は死の領土を歩いている、

 「死」は前方にあるのではない。後方からやってくる。これは前方には「死」ではなく「神」がいる、という意味である。したがって、ここでの「死」とは「地獄・煉獄」ということになる。

私が顔を塵(ちり)の中に伏せれば、墓が私を求めて口を開く、もし私が頭を上げれば、罪が外套のように私を包む!

 これらの行に共通するのはスピードである。ことばは最短距離を進む。そのとき「詩」が生き生きと駆けだす。