詩はどこにあるか(88) | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

詩の感想・批評や映画の感想、美術の感想、政治問題などを思いつくままに書いています。

高橋睦郎『語らざる者をして語らしめよ』(思潮社)

 「22」。「定型」の否定。「定型」からの逸脱。

俺は定型をはみ出して 光りまくる  (51ページ)

 定型をはみ出したものは異様である。そして「異様さこそが 抜きん出た者のしるし」(51ページ)。

俺は 俺の永遠(とわ)の寝床のある東の闇へ 還る
そこは魚や貝 異形(いぎょう)どもに満ちた海の八街(やちまた)
         * 「八街」の「街」は本文は旧字  (51ページ)

 そこは混沌としての「無」の場所である。そこには「定型」を逸脱するエネルギーが充満している。