詩はどこにあるか(43) | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

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寒山(「中国詩人選集5」岩波書店)

 「一人好頭肚」を読む。

長漂如汎萍
不息似飛蓬

 「不息」がゲーテを思い出させる。「憩うことなく」(休むことなく)――そして、こういうとき「息」という文字を使うことに体が揺さぶられる。
 「休む」ということは息をすること。体の奥深くへ新鮮な空気を入れること。深呼吸すること。

 漢字文化だけではなく、漢字が私たちの肉体にもなっていることに気がつく。