詩はどこにあるか(33)4月4日(月曜) 晴れ森鴎外「カズイスチカ」(「鴎外選集 第三巻」岩波書店)一本一本の榛の木から起る蝉の声に、空気の全体が微かに顫えてゐるやうである。 動詞の一語が「詩」になった例。 「起る」という語に「詩」がある。蝉の声が屹立して来る。存在を屹立させることばが「詩」である。