嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(112) | 詩はどこにあるか

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机上拾遺



ぼくが生活のなかに酒を濯ぎこむと
主のいないただの大きな褥になるだろう

 「濯ぐ」は「すすぐ」ではなく「そそぐ」と読ませるのか。「ぼく」と「主」が「いない」の関係もよくわからない。

やはや永遠の酔いが遠くへ去つたあとの平安に
だれひとり訪つてくるものとてない

 だれも訪ねてこないから「主」がいないのか。
 それは嵯峨にとって好ましいことなのか、好ましくないことなのか。
 好ましいことなのだろうと、想像して読む。

 

 

 

 


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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
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