清原選手は、なぜ筋トレをしたのが失敗と言われるのか?~相対筋力とは?~ | パーソナルトレーナー大久保進哉の問題解決!

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パーソナルトレーナーとして、のべ1万人以上。セミナー講師として、1000回以上講演。健康運動指導士&健康運動実践指導者の養成講習会講師として活動中の大久保進哉のブログです。

運動指導者の価値を、医師、弁護士、税理士の三大専門家に並ぶ位に高めたいと思います!

もうすぐ、バレンタインデーですが、今年はチョコやそのお金を医療従事者に使って欲しいと繰り返し述べている大久保です。

 

さて、昨日は張本勲氏による「ジャイアンツの筋トレ導入への提言」への個人的な見解を記しました。
 

初めてこのブログに来て頂いた方は、筆者のプロフィールです。

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では、張本氏が、たぶん筋トレ導入を失敗としているであろう元ジャイアンツの清原選手(以下清原氏)についての、筆者の個人的見解を書いています。

まず、筆者はプロ野球選手のパーソナルトレーニング指導経験は、投手一人。外野手一人です。どちらも1軍で活躍していますが、オフの間だけなので、参考までです。

まず、清原選手の本格的な筋トレの導入の目的は「筋肥大による飛距離向上」でした。

そのために、アメリカのシアトルにいるケビン山崎氏(以下 ケビン氏)に師事し、肉体改造に成功しました。188Cm 100Kgの肉体が、短期間で約5Kgの筋肥大を得たと思います。これは大成功だと感じます。

しかし、ケビン氏の指導を離れてからの方が、怪我が増えたと記憶しています。

 

では、3つの観点から、考察してみます。
①絶対筋力と相対筋力
筋力には、絶対的な筋力と相対的な筋力があります。スポーツで、絶対的な筋力が重視される競技とは、例えば、相撲、アメフト、投擲競技のように。階級制ではなく無差別であり、コンタクトスポーツなどが該当します。割と体脂肪率は高め(15~35%)です。

相対的な筋力が重視される競技とは、例えば、器械体操、レスリング、ボクシングのように、階級制であったり、ノンコンタクトスポーツなどが該当します。こちらは体脂肪率が低め(5~10%)です。女子だと生理不順に注意が必要です。

 

清原選手の膝の外傷は、長年の金属疲労(関節は鍛えられない)と、膝への体重増加による負担増であったと考えます。


②関節可動域
清原選手が頻回に起こしてしまった外傷に「肉離れ」があります。筋肥大をしている時期に、関節可動域(特に動的)に配慮しないと、肉離れが生じやすくなります。元来、筋肥大の筋トレは動作速度をややゆっくりで行います。しかし肉離れの受傷は、動作速度が速い場面です。ここで、動作速度の不一致が起こります。また、スポーツ動作は、多関節運動と言って、身体を連動的に動かす=キネティックチェーンを活用した動作が中心なので、多関節運動での関節可動域が重要になります。

 

 

③伸張-短縮サイクル

スポーツ動作は、一般的に素早い動作の切り替えしが要求されます。よって、筋肉には弾性力が要求されます。専門的には「伸張-短縮サイクル」や「プライオメトリックトレーニング」と言います。現ソフトバンクホークスの高西コーチが、積極的に取り入れている様子が紹介されております。

 

 

まとめます。


つまり、筋肥大→筋力向上→競技動作特異性を考慮してアレンジ。この計画や戦略が必要なのです。

なおかつ、シーズンに入れば、試合での疲労蓄積や、移動により、筋肉量は減少しやすくなります。よって、シーズンオフとシーズンインしてからでは、筋トレの質量は大きく異なります。

上記を考慮した「ペリオダイゼーション=期分け」が欠かせません。場当たり的な筋トレ(非常に多く取り上げられる)や、中長期的な戦略のない筋トレは、結果論になりやすいのです。

もし、パーソナルトレーニングを依頼する場合も。フィットネスとアスリート指導は目的が異なりますが。上記のようなスポーツ科学を理解したパーソナルトレーナーの方が、好ましいかもしれません。
※イケ筋肉や美トレーナーが目的ならば、その限りではありません

 

本日は、以上です!