噛み合わせが悪く、メンタルが弱っていた頃の私は、月に1回くらいの頻度で発作のような強い不安感に襲われてました。

具体的に書くと、後頭部から肩にかけてゾワーッと鳥肌が立ち、胸がギューッと潰れそうになる感覚です。

 

しかし、歯の状態が改善してきてからは、ここ数年一度もありませんでした。

ところが、昨年2023年の2月のことです。

調子の良かった左上1番にまたちょっと違和感が出はじめ、さらに、下の前歯との隙間が狭くなってきている感覚があり、なんとなくいや~な予感がしてました。

違和感だけならまだしも、下の歯と当たってしまうと最悪なのです。長くなるので省きますが、私は上下の前歯が当たることに深いトラウマがあるのです。

そんなある日、とうとう食事中に左上1番が下の歯と「カツン」と当たってしまい、何年かぶりに、あの「ゾワーッ」がやって来ました。

 


……と、その時、私は頭の中でこう思ったのです。

 (今の噛み合わせは、昔より格段に良くなっている。客観的な事実として間違いない。

なのに、この「ゾワーッ」は昔と全く同じだ。軽くも弱くもなってない。

噛み合わせが良くなっても、不安感は同じ…

ということは……

歯の状態と、不安感は、関係がない!?

噛み合わせが悪かろうが良かろうが、脳が不安だと思えば「ゾワーッ」となる、ということか!?)


そして、さらにあれこれと考えて、一つの考えにたどり着きました。

噛み合わせで悩んでいる人が感じる苦しみ・ストレスは、

① 歯や顎の痛み・違和感・不快感から直接的に生じる「一次ストレス」

② 歯医者に対する不信や、「一生このまま治らないのでは」という悲観的な想像、不安から生じる「二次ストレス」


この2つが混ざっているんじゃないか。
そして、②の割合がけっこう大きいのではないか。

例えば、私は腰が弱くてときどきギックリ腰になるんですが、ギックリ腰は①はめちゃくちゃ大きいですが(歩くこともままならず、痛みで眠れないほど)、②はゼロです。「数日たてばケロリと治る」と、経験上100%確信しているからです。

歯に関しても、「歯医者は専門家でプロだから、黙って任せていれば大丈夫」と(ナイーブにも)信じ込んでいた頃は、矯正途中で歯がろくに噛み合わず、激しい痛みがあっても、不安というのはありませんでした。①の「一次ストレス」しかなかったわけです。

「二次ストレス」を生み出しているのは純粋に「脳」であり、歯の状態が良いとか悪いとかとはおそらく関係がありません。去年2月の「ゾワーッ」が、それに気づかせてくれました。歯がカツンと当たったことがトリガーとなり、(また昔みたいに前歯がガチガチ当たるようになったらどうしよう)というネガティヴな想像が一瞬にして脳内を駆け巡り、パニック状態になって「ゾワーッ」の発作が起きたのです。

もしタイムマシンがあって、精神的にボロボロだった10年前の私に、「安心しろ、10年後にはほぼ完治してるぞ」と教えることが出来たら、ずいぶん気持ちが楽になっただろうと思うんです。

いま噛み合わせで苦しんでいる人も、10年どころか、3年後にはすっかり治っているかもしれません。未来がそうなる可能性だって、十分にあるはずです。
ですので、脳が作り出す不要な二次ストレスは、なるべく小さくするように心がけてみてください。ネガティヴなことは思い浮かべない、ということです。

「でも、治る確信なんて持てないじゃないか」と思われるかもしれませんが、未来に何があるかなんて本当に分かりません。

私の場合も、ある時ふと「そういえば、噛み合わせについて英語で検索したことなかったな…」と思って、試しにググってみたら、以前の記事に書いた海外のサイトを見つけ、さらにそれと同時期にたまたま手に入れた本にも同じことが書いてあったので、「これが正しいやり方だったのか!」と目から鱗が落ち、それを境に状況が改善に向かい始めました。

聖書に「求めよ、さらば与えられん」という言葉がありますが、「噛み合わせを治す」という目的に向かって行動し続けていれば、いつかは何か良いことが起きるものです。

 

エジソンが電球の発明に1万回失敗したのを、「このやり方では上手く行かないというデータを1万通り見つけたんだ」と言ったというエピソードがありますが、ある歯医者に行ってみてもしダメだったとしても、「あの歯医者には行く必要がないと分かった」と考えれば良いのです。

 

「一生治らないんじゃないか」というようなネガティヴな考え、未来に対する不安は、余計な二次ストレスを生むだけですから、「今はつらいけど、必ず治してみせる」ぐらいの前向きな気持ちで、噛み合わせの問題と向き合ってみてはいかがでしょうか。